Q1.青梅って、毒(青酸)があるのでは?
青酸について 昔から「青梅を生で食べるな」と言われます。これは、未熟の梅には時として 微量の青酸が含まれていることがあるからです。 梅をはじめ、杏、ビワ、桃等、バラ科の植物には共通して「アミグダリン」と 呼ばれるシアン配糖体が含まれることがあります。 シアン配糖体は、シアンが糖分と結合した物質でこの状態では問題はありませ んが、特定の酵素が作用するとシアンと糖分に分解し毒性が発生します。この酵素は40度で活力を失いますので、シアンと糖分に分解することができなくなり ます。 加熱殺菌は80度〜100度で行ないますから、この際に酵素の活性も失われます。 以前、梅干しに含まれるシアンを測定しましたが、シアンによるLD50(50% の確立で死ぬ量)を人間が摂取するためには、数トンの梅を1時間以内に食べる ことが必要です。 なお、蛇足ながら「アミグダリン」を分解すると、日本薬局方に記載されてい るベンザアルデヒドという解熱・鎮痛剤となります。風邪の時、病院で黒い水薬 を処方されることがありますが、これは杏から取ったシアンを利用した杏仁水と 呼ばれる咳止めです。 梅も健康食品としての一面を持っていますが、薬と同様で使用量を誤ると毒性 の一面を持つこともあります。常識的な量を食されることをお薦めします。 |